闇夜ヨルの恐怖記録 1
☆☆☆
朝から4時間目の家庭科の授業が楽しみで仕方なかった。
数学の授業をしていても全然先生の説明が耳に入ってこなくて、ぼーっとしてしまう。
「次の答えを、大野さん」
先生が自分の名字を呼んでいることにも気が付かなかった。
「ミハル、先生に当てられてるよ」
隣の席の子がミハルの肩をつつき、ようやく我に返った。
だけどそのときミハルは頭の中でケーキ屋『MIHARU』にいて、注文された誕生日ケーキをつくっていた。
チョコレートケーキに名前入りのプレートを乗せて、ちょうど完成したときだったのだ。
「おまたせしました!」
隣のクラスメートに突かれた瞬間、反射的に立ち上がってそう言っていた。
一瞬教室内は静まりかえり、それから大きな笑い声が湧き上がる。
ミハルは顔を真っ赤にしてゆるゆると椅子に座って顔を伏せた。
「大野さん、なんの夢を見ていたの?」
数学の先生も呆れ顔だ。
「すみません」
消え入りそうな声で謝って、教科書で顔を覆ったのだった。
朝から4時間目の家庭科の授業が楽しみで仕方なかった。
数学の授業をしていても全然先生の説明が耳に入ってこなくて、ぼーっとしてしまう。
「次の答えを、大野さん」
先生が自分の名字を呼んでいることにも気が付かなかった。
「ミハル、先生に当てられてるよ」
隣の席の子がミハルの肩をつつき、ようやく我に返った。
だけどそのときミハルは頭の中でケーキ屋『MIHARU』にいて、注文された誕生日ケーキをつくっていた。
チョコレートケーキに名前入りのプレートを乗せて、ちょうど完成したときだったのだ。
「おまたせしました!」
隣のクラスメートに突かれた瞬間、反射的に立ち上がってそう言っていた。
一瞬教室内は静まりかえり、それから大きな笑い声が湧き上がる。
ミハルは顔を真っ赤にしてゆるゆると椅子に座って顔を伏せた。
「大野さん、なんの夢を見ていたの?」
数学の先生も呆れ顔だ。
「すみません」
消え入りそうな声で謝って、教科書で顔を覆ったのだった。