闇夜ヨルの恐怖記録 1
「昨日夢はひとつに決めたって言ってたのに」


「本当だよ。ミハルのことだから、また変わるとは思ってたけど、こんなに早く変わるなんて」


マイコもチアキも、ミハルのことを見下しているように見えた。


バカにされたと感じたミハルは2人を睨みつける。


「私はもう2度も自分の夢を叶えてるんだから!」


つい怒鳴ってしまい、ハッとして口をつぐむ。


2人はキョトンとした表情でミハルを見つめた。


夢の中でペットショップの店員になったことも、パティシエになったことも、2人は知らない。


それに夢に見たことを現実のこととして話してしまったことを、2人はきっと笑うだろう。


ミハルは唇を引き結んで、教室から逃げ出したのだった。
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