闇夜ヨルの恐怖記録 1
☆☆☆

夢の中でできたことなんだから、現実でだってできるはずだ。


4時間目の授業が始まって、ミハルはピンク色のエプロンを付けて調理台の前に立った。


「ミハルは何を作るの?」


同じ班のマイコに聞かれて自信満々に「ケーキだよ」と、答える。


「ケーキ!?」


「うん。だって、私の夢はパティシエだよ?」


そう答えて小麦粉や砂糖の準備をすすめる。


夢で見たとおりにやれば美味しいケーキができるはずだ。


まるで魔法のようだとみんなびっくりするに違いない。


夢を沢山持ちすぎていると呆れているマイコとチアキだって、きっと私のことを見直すはずだ。


そう考えると嬉しくて、ミハルはアイドルの歌をハミングしながらケーキ作りを開始したのだった。
< 112 / 150 >

この作品をシェア

pagetop