闇夜ヨルの恐怖記録 1
☆☆☆
「ミハル!」
放課後、ひとりで教室から出ようとしていたミハルは後から声をかけられて足を止めた。
振り向くとマイコとチアキの2人が駆け寄ってきた。
またなにか言われるかもしれないと感じたミハルは無視をして教室を出る。
頭の中にあるのは今日失敗してしまったケーキのことばかりだ。
今だって、2人に笑われるんじゃないかと思って逃げようとしている。
「待ってミハル」
追いついたマイコに手首を掴まれて、ミハルは仕方なく足を止めた。
「なに?」
「今日のミハル、頑張ってたと思うよ」
チアキの言葉にミハルは一瞬意味がわからなかった。
頑張っていたって、なんのことだろう?
「みんなのためにケーキをつくったこと」
そう言われてミハルは苦笑いを浮かべる。
「でも失敗したし」
「最初は失敗するのも当たり前でしょう?」
マイコはニコニコと笑顔だ。
「それに、見た目はちょっとあれだったかもしれないけど、ちゃんと美味しかったよ?」
チアキにそう言われても、ミハルの心は晴れなかった。
夢の中であれだけすごいケーキを作ることができたから、現実の自分も少しはまともなものが作れると思っていた。
でも、予想以上に下手くそだったんだ。
「もういいよ。気にしてくれてありがとう」
ミハルは沈んだ声でそう言うと、2人に背を向けて歩き出したのだった。
「ミハル!」
放課後、ひとりで教室から出ようとしていたミハルは後から声をかけられて足を止めた。
振り向くとマイコとチアキの2人が駆け寄ってきた。
またなにか言われるかもしれないと感じたミハルは無視をして教室を出る。
頭の中にあるのは今日失敗してしまったケーキのことばかりだ。
今だって、2人に笑われるんじゃないかと思って逃げようとしている。
「待ってミハル」
追いついたマイコに手首を掴まれて、ミハルは仕方なく足を止めた。
「なに?」
「今日のミハル、頑張ってたと思うよ」
チアキの言葉にミハルは一瞬意味がわからなかった。
頑張っていたって、なんのことだろう?
「みんなのためにケーキをつくったこと」
そう言われてミハルは苦笑いを浮かべる。
「でも失敗したし」
「最初は失敗するのも当たり前でしょう?」
マイコはニコニコと笑顔だ。
「それに、見た目はちょっとあれだったかもしれないけど、ちゃんと美味しかったよ?」
チアキにそう言われても、ミハルの心は晴れなかった。
夢の中であれだけすごいケーキを作ることができたから、現実の自分も少しはまともなものが作れると思っていた。
でも、予想以上に下手くそだったんだ。
「もういいよ。気にしてくれてありがとう」
ミハルは沈んだ声でそう言うと、2人に背を向けて歩き出したのだった。