闇夜ヨルの恐怖記録 1
「なにこれ!?」


両手で自分の顔を包み込む。


これが私?


そんなバカな!


夢の中でのミハルはとても可愛くてみんなの人気者のアイドルにもなれる。


泣きの演技が上手な女優だったり、雑誌の表紙を飾るモデルでもある。


それなのに、現実の私は何?


体がカタカタと震えて全身から血の気が引いていく。


「こんなの嘘。こんなの夢だよ」


「ミハル大丈夫? 保健室に行く?」


「こんなの嘘。こんなの夢。そっか、こっちが夢なんだ」


ミハルの口角がニヤリと上がる。


「私はモデルで、パティシエで、女優で、警察官で、アイドルで、ペットショップの店員で、魔法のケーキを作って! それが現実!」


そして狂ったように笑い始めたミハルにおびえて、チアキは逃げ出してしまったのだった。
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