闇夜ヨルの恐怖記録 1
☆☆☆

それからのセイコの生活はなにも変わらなかった。


毎日学校へ行って、できるだけトオコとユウキを見ないように顔をそむけてすごく。


大好きだった読書は最近集中してできなくて、もう1っヶ月も同じ本を読み続けている。


「トオコ、今日の放課後はどこに行く?」


「駅前にできたスイーツ屋さんに行きたいなぁ」


学校からはまっすぐに帰らないといけないのに、そんなこと2人とも全然気にしていないみたいだ。


まわりにいる友人たちも2人を羨ましがっている。


「サッカーはどうしたの?」


つい、セイコは声に出してそう聞いていた。


トオコたちが驚いた表情をこちらへ向ける。


ユウキも目を丸くしていたけれど、すぐに柔らかい表情になった。


「サッカーは親に言われてやってただけなんだ。別に、そんなに好きじゃなかったし」


頭をかいてそう言うユウキに今度はセイコが驚いた。


サッカーをしているときのユウキは本当に輝いて見えていたから、まさかイヤイヤやらされていたなんて思わなかった。
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