闇夜ヨルの恐怖記録 1
☆☆☆

「ミハル、早くよくなってね」


「目を覚まして、もう1度学校に来てね」


「ミハル」


「ミハル」


病院のベッドに横たわっているミハルの周りにはC組組の生徒たちが集まっていた。


みんな口々にミハルの名前を呼んで、1日でも早く目が覚めるように願っている。


「ミハルはどうして眠ったままなんですか?」


涙で目を赤くしたマイコが、ミハルの両親へ質問する。


「原因はわからないんだ。ただ、眠っているだけなんだよ」


父親の説明にマイコとチアキが目を見交わせる。


それなら呼べば起きてくれるんじゃないか。


肩を揺さぶれば起きてくれるんじゃないか。


淡い期待がよぎるけれど、どれももうやってみたことだった。


それでもミハルはまだ眠り続けている。


今の自分たちにできることは、毎日お見舞いに来て声をかけることだけだった。
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