闇夜ヨルの恐怖記録 1
☆☆☆

トオコへの態度がそっけなくなった頃、セイコとユウキはしょっちゅう視線がぶつかるようになった。


セイコがプリントを回すために振り向くと、一番後ろの席のユウキがこちらを見ているのだ。


最初は勘違いかもしれないと思っていたけれど、それが何度も続いて、しかも軽く手を振られるようになると、もう勘違いじゃなかった。


セイコは振り返るたびに心臓がドキドキして、顔がポッと赤くなった。


「最近ユウキくんといい雰囲気だね?」


昼休憩中、ハルナにそんなことを言われたので思わず咳き込んでしまった。


顔が熱くなって、真っ赤になっていくのがわかる。


「なに言ってるの? そんなことないし」


「またまた嘘ばっかり。顔真っ赤だよ?」


そう言ってセイコの頬をつついてきたのはカナだ。


最近ではいつもこの3人で昼ごはんを食べている。


さすがに3人で1つの机で食べることはできないから、ハルナとカナがわざわざ机をここまで持ってくるのだ。


「2人ならお似合いだと思うよ?」


カナに言われてセイコは首を振った。


「でも無理だよ、だってユウキはトオコと付き合ってるんだから」


未だに2人が別れたとは聞かない。


「そうかな? 最近は2人で会話しているところを見たことがないよね? 本当に付き合ってるのかな?」


ハルナは首を傾げている。


確かに、今まで2人はべったりで昼も一緒に食べていた。


だけど今はバラバラだ。


もしかしたら、もう別れているのかもしれない。
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