闇夜ヨルの恐怖記録 1
そう思うと期待が胸に膨らんでいる。


自分でもユウキと付き合えずチャンスがあるかもしれない。


「気になるなら、直接本人に聞いてみたらどう?」


カナからの提案にブンブンと左右に首を振る。


そんなことできるわけがない。


「じゃあ、私がトオコに聞いてくるよ!」


カナはそう言うと静止するのも無視してトオコの席へと走っていってしまった。


「カナって言い出すと聞かないところがあるから」


ハルナは肩をすくめている。


カナはしばらくトオコと話をした後、すぐに戻ってきた。


「どうだった?」


聞くと「まだ別れてはないみたい」と言われて、ガックリと肩を落とす。


最近よくユウキと視線が会うし、そろそろ接着剤の効果が出てくる頃だと思っていたのに、まだ別れていないみたいだ。


もしかしたら、あの接着剤には恋人になるほどの力はないのかもしれない。


「だけど、多分時間の問題だと思うよ」


続けてカナに言われてセイコは「どういうこと?」と聞き返した。


「ユウキくんとはもう全然連絡取ってないんだって。もしかしたら自然消滅するかもって言ってた」


その言葉にセイコはトオコを見た。


トオコはするどい視線をこちらへ向けている。


私達がどんな話をしているのか、わかっているみたいだ。
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