闇夜ヨルの恐怖記録 1
☆☆☆

自室に戻ってきたセイコは手のひらに接着剤を乗っけて笑みを浮かべていた。


本当に彼氏ができてしまった。


しかも、小学校の頃からずっと好きだったユウキだ。


告白されたシーンを思い出すと胸の中がキュッと押さえつけられるような感覚になった。


「これさえあれば、欲しい物はなんでも手に入るんだ」


もしかしたら歌にある通り友達100人だって夢ではないかもしれない。


そうやって中の良い子を沢山作ることも面白いかもしれない。


だけどしばらくは必要なさそうだ。


なんていったって、セイコが一番欲しかったユウキを手に入れたんだから。


「また必要になったら、手伝ってね」


セイコは接着剤へ向けてそう言うと、接着剤を大切そうに引き出しにしまったのだった。
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