闇夜ヨルの恐怖記録 1
ユウキが積極的に攻めて行ってゴールを決めた時には思わず大きな声で歓声を送っていた。
その時一瞬だけユウキがこちらへ視線を向けた気がした。
今、私と目があった?
そう思った次の瞬間にはすでに視線をそらされていたので、よくわからなかったけれど、その日かセイコは学校でもユウキから目をそらすことができなくなっていたのだ。
小学校を卒業するまでは挨拶や、ちょっとした会話を交わしていた。
家の方向が同じだから、時には一緒に帰宅することだってあったのだ。
それが中学に上がってからはどんどん遠い存在になって行って、今では目が会った時にお互い軽く会釈をする程度になっていた。
中学に上がった男女なんてこんなものなのかもしれないと思っていたけれど、違ったんだ。
せっかくユウキと同じクラスになれたのに話しかけることができずにいた間に、ユウキとトオコの距離はとても小さくなっていた。
そして今、手を繋いでいる2人はどう見ても恋人同士だったのだ。
ショックで頭の中が真っ白になっていたとき、不意に後ろから知らない男子生徒がぶつかってきた。
「あ、ごめん」
前を見て歩いていなかったその生徒は軽い調子で謝って、自分の教室へと戻っていく。
セイコは大きく息を吐き出し、流れ出そうになる涙を押し込めた。
ユウキは誰もが憧れるくらいかっこいいのに、自分がモタモタしていたのが悪いんだ。
自分にそう言い聞かせてみても、胸の奥に生まれた黒い感情はそう簡単には消えることがなかったのだった。
その時一瞬だけユウキがこちらへ視線を向けた気がした。
今、私と目があった?
そう思った次の瞬間にはすでに視線をそらされていたので、よくわからなかったけれど、その日かセイコは学校でもユウキから目をそらすことができなくなっていたのだ。
小学校を卒業するまでは挨拶や、ちょっとした会話を交わしていた。
家の方向が同じだから、時には一緒に帰宅することだってあったのだ。
それが中学に上がってからはどんどん遠い存在になって行って、今では目が会った時にお互い軽く会釈をする程度になっていた。
中学に上がった男女なんてこんなものなのかもしれないと思っていたけれど、違ったんだ。
せっかくユウキと同じクラスになれたのに話しかけることができずにいた間に、ユウキとトオコの距離はとても小さくなっていた。
そして今、手を繋いでいる2人はどう見ても恋人同士だったのだ。
ショックで頭の中が真っ白になっていたとき、不意に後ろから知らない男子生徒がぶつかってきた。
「あ、ごめん」
前を見て歩いていなかったその生徒は軽い調子で謝って、自分の教室へと戻っていく。
セイコは大きく息を吐き出し、流れ出そうになる涙を押し込めた。
ユウキは誰もが憧れるくらいかっこいいのに、自分がモタモタしていたのが悪いんだ。
自分にそう言い聞かせてみても、胸の奥に生まれた黒い感情はそう簡単には消えることがなかったのだった。