闇夜ヨルの恐怖記録 1
☆☆☆
休日の遊園地は沢山の人でごった返していた。
家族やカップル、友人同士のグループが所狭しと歩きまわっている。
「さすがに人が多いな」
「そうだね」
「手、掴んでて」
迷子になってしまわないように、ユウキはトオコの手を握りしめた。
その温もりにどきどきしてしまう。
デートのたびにこうして手を繋がれたら、心臓がもたないかもしれない。
「セイコ、最初にどれ乗りたい?」
「えっと……コーヒーカップ、かな?」
「よし、じゃあ行こう」
地図でコーヒーカップの場所を探して、歩き出す。
手は繋がれたままで、時々振り向いてセイコのことを確認してくれる。
歩調もゆっくりで合わせてくれているのがわかった。
「トオコにも、こんなに優しかったの?」
不意にそんな質問をしてしまっていた。
ユウキが立ち止まり、「え、なに?」と聞き返してくる。
幸い、周囲の喧騒のおかげでセイコの声はかき消されてしまったようだ。
「楽しいねって言ったの」
セイコは今度は大きな声で伝えた。
ユウキが微笑み、頷く。
できればこの優しさが自分だけに与えられるものなら良かったのに。
心の中でセイコはそう思ったのだった。
休日の遊園地は沢山の人でごった返していた。
家族やカップル、友人同士のグループが所狭しと歩きまわっている。
「さすがに人が多いな」
「そうだね」
「手、掴んでて」
迷子になってしまわないように、ユウキはトオコの手を握りしめた。
その温もりにどきどきしてしまう。
デートのたびにこうして手を繋がれたら、心臓がもたないかもしれない。
「セイコ、最初にどれ乗りたい?」
「えっと……コーヒーカップ、かな?」
「よし、じゃあ行こう」
地図でコーヒーカップの場所を探して、歩き出す。
手は繋がれたままで、時々振り向いてセイコのことを確認してくれる。
歩調もゆっくりで合わせてくれているのがわかった。
「トオコにも、こんなに優しかったの?」
不意にそんな質問をしてしまっていた。
ユウキが立ち止まり、「え、なに?」と聞き返してくる。
幸い、周囲の喧騒のおかげでセイコの声はかき消されてしまったようだ。
「楽しいねって言ったの」
セイコは今度は大きな声で伝えた。
ユウキが微笑み、頷く。
できればこの優しさが自分だけに与えられるものなら良かったのに。
心の中でセイコはそう思ったのだった。