闇夜ヨルの恐怖記録 1
☆☆☆

登校日、A組に入るやいなやハルナとカナが駆け寄ってきた。


「どうしたの2人共、随分早く登校してきてるんだね」


普段はセイコより少し遅い時間に登校してきている2人に驚く。


「だって、今日は色々聞きたいんだもん」


ハルナの声が弾んでいる。


「そうだよ。デートはどうだったの? デートは」


カナがセイコの肩を何度もつついて聞いた。


セイコはほんのりと頬を赤く染めて「別に、普通だよ」と、答える。


「普通ってなによ。詳しく教えてよ」


ハルナは更に食い下がってきた。


「遊園地に行って、いろいろなアトラクションに乗って、ソフトクリーム食べた! これでいいでしょう?」


あまり聞かれると照れてしまうので、早口にそう伝えた。


「何に乗ったとか、何味のソフトクリームを食べたとか、あるでしょう?」


カナもまだ私を離してはくれなさそうだ。


セイコはため息を吐き出し、仕方なく昨日のデートについて2人に詳しく聞かせはじめた。



説明しながらも幸せな気分が胸の中に広がっていく。


あんなに幸せな時間が現実に起こったことだなんて、今でも信じられないくらいだ。
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