闇夜ヨルの恐怖記録 1
☆☆☆

それは休憩時間中のことだった。


いつも通りハルナとカナの2人と会話をしていた。


「なんか最近、トオコって冴えなくなったよね」


そんな声が聞こえてきて、セイコは振り向いた。


そこには同じクラスの女子が数人固まっておしゃべりをしていた。


「だよね。セイコの方が可愛くなったよね」


「そうだよね。だからユウキ君だって、セイコと付き合い始めたんだよ」


そしてクスクスを笑う声。


声は結構大きくて、少し離れた場所にいるトオコにも聞こえていそうだった。


だけどトオコは机の下に出しているスマホをジッと見つめたまま、反応しない。


彼女たちが言っていた通り、最近のトオコは特に冴えなくなってきていた。


友達や彼氏がいなくなっても化粧や髪型に気を使っていたのに、今ではスッピンで、髪の毛も適当にクシを入れた程度になっていた。


一方セイコはハルナたちからメーク方法を聞いて練習しているから、どんどん垢抜けて行く。


ユウキにも可愛いと褒められたところだった。
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