闇夜ヨルの恐怖記録 1
「トオコも、メークくらいすればいいのにね」


ハルナが呆れた声で言う。


「本当だよね。スッピンだと、誰だかわかんないじゃん」


カナは笑いをこらえて言った。


実際にトオコの素顔はそれほどヒドイとは思わなかったけれど、いつでもバッチリメークしていたので、落差は激しく感じられた。


「いいじゃん、好きにさせておけば」


セイコは興味のない返事をして、机に広げられている雑誌に視線を落としたのだった。

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