闇夜ヨルの恐怖記録 1
疑問が胸の中に膨らんでいく。


それからもセイコは一人だった。


普段はすぐに近づいてくるハルナとカナは全然来てくれない。


今になって雑誌を広げたとき、教室中央から笑い声が聞こえてきて振り向いた。


そこにはトオコを中心にしてハルナとカナがいたのだ。


3人とも楽しそうな笑い声をあげている。


どうして!?


思わず勢いよく立ち上がり、3人の方へ近づいて行った。


「今日はどうしたの? なんで?」


2人へ視線を向けて質問するが、その声が震えてしまった。


ハルナとカナはお互いに目を見かわせた後、気まずそうに笑う。


「私達あんなに仲が良かったのに!」


思わず声が大きくなってしまい、慌てて口を閉じた。


「ごめんね。やっぱりトオコとの方が楽しいんだ」


「うん、私も」


ハルナとカナはそう言って苦笑いになった。


「そんな……」


セイコは愕然として後ずさりをした。
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