闇夜ヨルの恐怖記録 1
ハルナとカナは自分を驚かせようとして、あんなことをしているのかもしれない。


そう思い込もうとしたが、何度休憩時間になっても2人が「ドッキリでした!」と、言ってくることはなかった。


しばらく一人ぼっちで教室で過ごすことのなかったセイコにとって、誰もいない休憩時間は拷問のように辛かった。


特に長い休みのお昼は、自分がどう過ごしていたのか思い出そうと必死だった。


そして、トイレの個室にこもっていたことを思い出す。


当時の様子を思い出したセイコは青ざめた。


もう1度あんな場所に戻るなんて絶対に嫌だ。


なにがあっても、あんなことはしない。


セイコは足元をふらつかせながらユウキの元へ向かった。


ユウキならきっと一緒にいてくれる。


あれだけ優しい人なんだ。


私を一人になんてするわけがない。


ふらふらとした足取りでユウキへ近づき、笑顔を浮かべた。


「ユウキ、次の休みなんだけど、なにする?」


必死で明るい声を上げる。


私は孤独なんかじゃない。


寂しくなんてないし、可哀想でもない。


そう、クラスメートたちにアピールするために。
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