闇夜ヨルの恐怖記録 1
「でも、サッカーは続けるよ。サンキュな」


そんな風に感謝されたくなかった。


ずっとずっとユウキの一番近くにいて、サッカーの応援をしたかった。


「あの2人、長く続くとは思わなかったよね」


「だよね。やっぱりトオコとの方がお似合いだもんねぇ」


そんな声が聞こえてきたので振り向いて睨みつけた。


会話はピタリと止まる。


だけどセイコは納得していなかった。


こんなのおかしい。


ハルナもカナもユウキも突然私から離れていくなんて、こんなことありえない。


醜くなった顔を見られたくなくてトイレに駆け込み、個室に鍵をかけた。


心臓は早鐘を打って、体中に嫌な汗をかいている。


汗でぬれた手でスマホを操作する。


みんなの態度が急変したのはきっとあの接着剤のせいだ。


効果が切れる期限があったとか、量が少なかったとか、そういうことのせいだ。


じゃないと納得できないことばかりだ。
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