闇夜ヨルの恐怖記録 1
それでも、楽しさを知ってしまった今、トオコたちの話し声が胸に突き刺さってくる。
その声から逃げるように文庫本に視線を落としたとき、「なぁ」と、後からぶっきらぼうな声が聞こえてきた。
どうせ自分以外の誰かに声をかけたんだろう。
このクラスに仲のいい友人なんていないんだから。
そう思ったが、今度は肩を叩かれた。
間違いない、今のは私に声をかけてきたんだ。
そう思うと瞬間的に胸が踊って勢いよく振り向いた。
そこに立っていたのはユウキで、目が合った瞬間心臓が大きく跳ねた。
思わず視線をそらしてうつむいてしまう。
「これ、落ちてたから」
ユウキが机に置いたのは消しゴムだった。
いつの間に落としたのか、気が付かなかった。
「ありがとう」
感謝の言葉も消え入ってしまいそうだ。
「あのさ」
続けて言われてセイコはゆるゆると顔をあげた。
今はメークもやめてしまって、顔を見られるのは少し恥ずかしかった。
その声から逃げるように文庫本に視線を落としたとき、「なぁ」と、後からぶっきらぼうな声が聞こえてきた。
どうせ自分以外の誰かに声をかけたんだろう。
このクラスに仲のいい友人なんていないんだから。
そう思ったが、今度は肩を叩かれた。
間違いない、今のは私に声をかけてきたんだ。
そう思うと瞬間的に胸が踊って勢いよく振り向いた。
そこに立っていたのはユウキで、目が合った瞬間心臓が大きく跳ねた。
思わず視線をそらしてうつむいてしまう。
「これ、落ちてたから」
ユウキが机に置いたのは消しゴムだった。
いつの間に落としたのか、気が付かなかった。
「ありがとう」
感謝の言葉も消え入ってしまいそうだ。
「あのさ」
続けて言われてセイコはゆるゆると顔をあげた。
今はメークもやめてしまって、顔を見られるのは少し恥ずかしかった。