闇夜ヨルの恐怖記録 1
「本当に現実にしたい夢って、そう簡単に人には話せないんだよ?」


チアキが真剣な表情でそう言った。


「そうなんだ?」


「うん。恥ずかしさもあるけど、叶うわけがないって否定されることが怖いの。どれだけ努力していても、その努力はなかなか人には伝わらないから」


努力……。


ミハルは2人から机の上に視線を落とした。


自分は夢を叶えるためにどのくらいの努力ができているだろうか。


あれもこれも同時にやったって、結果はついてこない。


みんなが言っていたことはそういうことだったのかもしれない。


「ごめん、トイレ」


ミハルは小さな声でそう言って教室を出たのだった。
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