闇夜ヨルの恐怖記録 1
☆☆☆

学校に到着してもミハルの頭の中はキャンディー一色だった。


あんな素敵なキャンディーがあったなんて知らなかった。


みんなに教えたら喜ぶかもしれない。


「ミハル、今日はぼーっとしちゃってどうしたの?」


マイコが心配そうにミハルの顔を覗き込んだ。


さっきからずっと黙ったままだったから、体調が悪いと思われてしまったようだ。


「ううん、なんでもないよ」


ミハルはそう言って左右に首を振った。


2人にあのキャンディーを教えてあげたい。


そう思うけれど、売っている場所がわからなければ伝えることができない。


下手をすれば嘘つきだと思われてしまうかも。


そう思うと教えることができなかった。


「ねぇ2人とも、私夢が決まったかも」


「え!?」


マイコとチアキの2人が同時に声をあげてミハルへ視線を向ける。


「今度は本気。たった一つの夢」


「それってなに!?」


マイコが身を乗り出して聞いてきた。


「ペットショップの店員」


答えると、夢の中の自分を思い出した。
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