短編集 優しくなんてないよ
“ずっと,愛してる。”
「嫌いじゃないよ」
「嫌いになんかなってないよ」
なんで,あの時そう言えなかったんだろう。
「君は優しいね」
「すごく可愛いよ」
そんなことないよ。醜いよ。
「苦しかったの?」
「頑張ったね」
同情が欲しいわけじゃないの。
「逃げよう」
「このままじゃ君は壊れちゃう」
ごめんね。逃げる勇気もないの。
「幸せになれよ」
「どうか,君だけでも」
やめてよ。そんなの望んでない。
「愛とは,なんですか?」
「幸せとは,なんですか?」
私にだって分かんないよ。
「『“『「優しくなんてないよ」』”』」
これは,後悔に沈んだ少女たちの物語。
< 1 / 15 >