年上なのに、翻弄されて
「蓮,この間は変な態度とっちゃってごめんね。もう,大丈夫になったから忘れてね」



美世ちゃんのお陰で,蓮のことを,意識はしても幾分穏やかでいられる。

今みたいに突然手を繋がれたりするとやっぱり恥ずかしいけど。



「うん。僕もちょっぴり仕返ししたからお互い様」



当たり前みたいに私の唇に触れる蓮。

その妖しい微笑みに,会っていない間に免疫の低下した私は,いとも簡単に赤面した。



「ふふっ。可愛い」

「っ!!」



堪えられなくなって,私は浜へと走り出す。



「呉羽!?」



蓮の焦った声がしたけど,構わず走り続ける。



「飲み物買ってくるだけ!」



女子の中でも,運動神経が特別いいわけではない私。

普通なら絶対に追い付かれるけど,生憎蓮はイケメン。

浜に上がった時点で派手な水着を着ている大人の女性に捕まっていた。
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