年上なのに、翻弄されて
一瞬嫌だと思ったけど,蓮が私を見ながら断っているのを見て,私は安心して蓮をおいていった。



「ねぇ。きみ1人?」



海の家が見えてきた辺りで,やたらと肌の焼けた3人組の男の人に声をかけられる。



「違います。えと,何か用ですか?」



私は笑顔で尋ねた。

初対面の人には出来るだけ愛想よく。

実はこれがとっても大切だと思っているから。



「うん。純粋そうでいいね! 俺達と遊ぼう?」

「ごめんなさい。私友達と来てて……」

「でも今1人でしょ? ちょっとだけでいいから」



男3人じゃ寂しいのかと謝るけど,なんだか引いてくれそうにない。

でも蓮もあのままじゃ可哀想だし……



「ほら,行こう?」



そう言って考え込む私の腕を,3人の内1番テンションの高い男の人が掴んだ。

ひっ……



「やっ!」



掴まれた肌の感触が妙に気持ち悪くて,私はその手を全力ではねのけた。

同時にザッと砂浜を踏む音がして,私は振り返った。

そこには蓮がいて,少し険しい顔で,私を後ろから覆い被さる様にして抱き締めた。
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