年上なのに、翻弄されて
「この子僕のだから他をあたってくれる?」



柔らかくて低い口調の蓮に,男の人達も怯んで,



「っクソッ連れって男かよ!」



一言叫んで何処かに行ってしまった。

私の頭はもう,そんな人達のことなんて微塵も気にしてない。



「れっれん!」

「なに? 呉羽」



男の人達が去っていってからも,蓮は私を離さない。

ここは海。

当然お互い水着を着ているわけで,肌が直接触れるから,普段とは比にならないくらい恥ずかしい。

色白なのに何故か程よく付いた筋肉。

蓮の……匂い。



「離…れて,皆のところに戻ろう?」



ドキドキして,それをごまかすように蓮にいう。



「ふふっ。呉羽,飲み物買うんじゃなかったの?」

「からかわないで!」



私,年上のはずなのに……何でいつも蓮に翻弄されるの!?

結局,みんなとの合流は叶わず,1日蓮と遊んだ。

皆はいなかったけど,すごく楽しかった。
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