年上なのに、翻弄されて
「月奈さん!」

「お! いいねその呼び方」



働くどころか社長だった。

仕事できる人の雰囲気あるし,きっと大きな会社なんだろうな。



「ほら,2人とも頭と身体洗ってさっさと入りな」




-カッポーン。



「呉羽ちゃん,熱くない?」

「はい。良い湯加減です」



今日は朝から海だったもんな。

お湯が身体に染み渡る。



「びっくりしたでしょ? 沙羅は蓮を呼び捨てにするから」



そう月奈さんに聞かれて,初めて沙羅ちゃんを見てボロ泣きしたのを思い出す。

……恥ずかしくなった。



「それは,その……はい」



素直に白状した。



「理由は大したことじゃないんだよ? ただ小さい沙羅がちょっとブラコン気味だったのと,私達の真似をしてたのを誰も止めなかっただけなの」



そうなんだ……そうゆう兄妹もいるよね。

よくよく思い出せば,昔通ってた学童でも名前で呼びあってる子が何人かいた気がする。
< 117 / 204 >

この作品をシェア

pagetop