年上なのに、翻弄されて
「じゃじゃーん! どう? 蓮。彼シャツだよ,彼シャツ!! 抱き締めたくならない? このいじらしさ! でも残ね~ん。ハクねぇを抱き締めるのは私!」

蓮のシャツは大きすぎる。

そのせいで胸がはだけそうになる私は,必死に胸元を押さえながら,沙羅ちゃんに抱き締められている。

そもそも彼シャツって言うのは彼氏のシャツを彼女が着るって意味だから私は該当しないはず。



「呉羽ちゃんは蓮の部屋と沙羅の部屋,どっちで寝たい? ベットは1つしかないけど」



それなら…と言うよりベットが2つだったとしても……



「ハクねぇ! 私と一緒だよね?」



抱き付いたままの沙羅ちゃんに,そりゃそうだよと思いながらうんという。



「沙羅? さっき自分で言ったこと忘れたの? 僕はまだ,許した訳じゃないからね?」

「ぴゃっ!? ……ゴメンナサイ。ハクネェ! キョウハヤッパリレントネテネ。オヤスミ」

「え!? なんで!?」



普通に考えておかしいよ! 

ただひとつはっきりと分かること,それは……

何故かは分からないけど,私は沙羅ちゃんに売られたと言うことだ。

この家にはお風呂が客人用に2つあるらしく,蓮はもうお風呂に入ったらしい。

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