年上なのに、翻弄されて
だからかは分からないけど,耳が少し赤い蓮は,そのまま呆然とする私の手を引いて歩き出す。



「あっ呉羽ちゃん。どうしても嫌なことされたら夜中でも構わず叫んでね?」



我関せずを徹底していた秋巴さんは呑気にそんなことを言った。

それは,この場に私の味方がいないと言うことと同義。

秋巴さん……もうすでに叫びたいです。

どうしたら良いですか……?

部屋について直ぐ,ベッドに座る蓮に



「おいで?」



と言われる。

なんの違和感もないけど,年下にそんな風に言われる私って何……?

綺麗に片付いていて,蓮らしい落ち着いた部屋。

キョロキョロと部屋を見渡して,私は言われるまま蓮の隣に座った。

そしてハッとなる。

え,私ほんとにここで寝るの?

纏まらない思考の中でも,胸元から手を離したりはしない。
< 121 / 204 >

この作品をシェア

pagetop