年上なのに、翻弄されて
9月27日夜。

作戦1決行。



「蓮~! 人参火ー通ってるか味見してくれない?」



私はキッチンから美世ちゃんに言われたままのセリフを口にする。

声,震えてない? 大丈夫かな……



「良いよ? 珍しいね」



実行する前から顔の赤い私を不思議そうに眺めて,蓮は直ぐに来てくれた。

今日は肉じゃが。

その具の1つである人参を菜箸でつかんで蓮の方に向ける。



「あついかも……しれないけど……」

「っ呉羽?」



蓮は一瞬だけ俯いて,でも直ぐに顔をあげて,その時特に変化はなかった。



「ふふっ。誰に習ったの? 美世さんかな」



蓮は私の手を掴んで人参を口元に持っていき,そのままパクリと食べた。
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