年上なのに、翻弄されて
ロングポテトを受け取り,店員さんの見惚れるような笑みに見送られて歩き出す。



「なんで彼女じゃないって言わないの? あのお姉さん勘違いしてるよ」



蓮にもポテトを訳ながら聞く。

照れからちょっと怒ったようになっちゃったかもしれない。



「勘違いされても良いからだよ? それにわざわざ否定する方が変だから」



蓮もまた,ポテトを食べながらそういった。



「どうゆう……」

「ハクねぇ~!」



勘違いされても良いの意味を聞こうと反射的に蓮を見上げると,よく知った声が聞こえた。



「沙羅ちゃん!?」



黒髪に黒目,呼び方と声,手を振り駆けてくる姿はまさしく沙羅ちゃんだ。

隣には菜々美ちゃんもいる。
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