年上なのに、翻弄されて
「ふふっ。そうなんだ。わざわざ教えに来てくれてありがとう。沙羅ちゃんがスマホ貰ったら連絡先交換してくれる? それと,2人の入場料払うよ。いくらだっけ? 楽しんでね」



本来ならお母さんに貰ったお金だからそんなこと言えないけど,実は夏休みに少しずつバイトを入れていた私は堂々とそう言うことが出きる。



「遊びもかねてるから大丈夫。スマホも要らないと思ってたけど直ぐに買って貰うね!」



沙羅ちゃんが嬉しそうに笑うから,私も嬉しくなった。



「それに,伝えるだけならみ~なに美世さんに伝えて貰えるように言って貰うだけで良かったんだから」



沙羅ちゃんは私にずいっと近付いて私を見上げる。



「私はハクねぇに会いたくて来たんだよ?」



ほんとにこの兄妹はずるい。

こっちが嬉しくなるようなことを簡単に口にする。
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