年上なのに、翻弄されて
「呉羽」



呼ばれて振り返ると,そこにはやっぱり蓮がいた。



「蓮!!」



蓮の誕生日を知れてすっかりテンションの上がった私は,蓮に満面の笑みを向けた。

幼子のような,純粋で恥じらいのない笑み。

「蓮……? どうしたの? なんか,顔赤い?」


じっとみると,ほんのりだけど顔が赤い。

指摘すると,蓮は片手で顔を隠してしまい,もう見えない。



「ぷはっ呉羽さんそれ言っちゃいます?」

「~っ。呉羽,どうしたの? 沙羅,何を言ったらこうなるの?」



こうってなんだろう?

はしゃぎすぎたのだろうか? またやってしまった。



「愛だよね,ハクねぇ?」



すかさず沙羅ちゃんが耳元で囁いてきて……



「違うよ!」



とっさに否定してみても,

あれ? でも好きな人の情報で舞い上がってたんだからそうなのかな?



「違っ……くもないかもしれない」

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