年上なのに、翻弄されて
「ふふっ。本当に可愛い。蓮! 良かったね」



本当にこの兄妹は……

この2人を前にすると,私の方が年上のはずなのに,いとも簡単に翻弄されてしまう。



「……沙羅?」

「ちょっとやだ。そんな怖い顔しないでよ蓮。ハクねぇの顔が赤いのは私のせいじゃないよ? ふふっ。蓮も今月良いことあるかもね? 私のお陰な訳だけど」



ニコニコと笑みを顔に張り付ける蓮に,沙羅ちゃんもえっへんと応戦した。



「じゃあね~ハクねぇ」

「沙羅,僕には?」

「じゃあね! ハクねぇ」



沙羅ちゃんは蓮を妹らしくからかって,菜々美ちゃんと去っていった。

< 142 / 204 >

この作品をシェア

pagetop