年上なのに、翻弄されて
「それに,せっかく僕用のマグカップもあることだし……ね」



その手にあるのは,私がつい先週,蓮の誕生日にプレゼントしたもの。



「そっだね……!? おっお湯! 沸かすから,ちょっと待ってて……」



私が喜ぶと,焦ると,照れると分かっていて言っている。

-ピンポーン♪

電気ケトルのスイッチをいれた時,家中に軽快な音が響いた。

蓮と顔を見合わせる。

宅配は何も頼んでないし……



「お客さん?」



珍しい来客に,蓮からそう尋ねられた私は首をかしげた。



「ちょっと見てくる」

「僕も行くよ」



蓮に付き添われて,最初からドアを開けるほど不用心でもない私は除き穴に顔を近づける。



「あっ!!?」



ードアの前にいる人の姿を確認した私は,急いでドアを開けた

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