年上なのに、翻弄されて
蓮も目を丸くして続きを待っている。



「ほらっ恭くん! さっき買ってきたの渡して!」

「み~先パイ……」



真田くんが私達にくれたのは,いちご味とチョコ味,2つのポッキーの箱だった。



「? 美世ちゃんはわざわざ私達にポッキーを渡しに来てくれたの?」

「まぁ,それ自体はただのポッキーですよ,呉羽先パイ……」



真田くんはちょっと疲れた顔をして美世ちゃんを見る。

美世ちゃんの視線は私と言うより蓮に向いていた。



「呉羽ちゃんと2人でポッキーゲームでもしたらどうかなって……」

「はぁ!?」



聞き間違いかと真田くんをみても,申し訳なさそうに首をふる。



「呉羽先パイ。俺にはみ~先パイを止める術はねぇです」



蓮は戸惑う私と違って,あざとく首をかしげると,真意を探るような目で美世ちゃんを見た。
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