年上なのに、翻弄されて

 
 
                 
「へぇ~呉羽はそんなことゆーんだね? ねえさっきのスマホのパスワードって誕生日?」    
   
「そう……だけど?」   
   
  
   
安直だって言いたいの?    
  
   
   
「じゃあ僕は,その日までに呉羽がもうそんなこと言えないようにしてあげる。」  え?   
  
  
  
「はっな,にいって……」    
   
   
  
本当に意味分かんない。     
  
  
  
「ふきゃっ!?」     
  
   
  
突然腕を引かれた私はつい変な声をあげた。
    
そして,  
  
-ちゅっ   
   
さっきより短いキスを落とされる。   
  
   
    
「っまた!」   
   
「また夜に。呉羽」  
               
   
  
今は12時半。 
   
そのまま帰ろうとするということは,お昼は要らないのだろうか?
   
それよりも,だ。         
   
  

「っ今日の夜から明日いっぱい。友達の家でパジャマパーティーだから自分で何とかしてね!」 
   
   
   
去っていく背中に,たまらずそう叫ぶ。
              
   
   
「ふふっ。分かった」 
   
  
   
……絶対に信じてない。
 
細められた目が,それを証明している。
 
少し前に分かりやすいと言われた事を思い出して,また顔が熱くなった。  
    
……今決めたことだけど,嘘じゃないし。
      
ちょっとひねくれた気持ちになっているうちに,蓮は帰っていった。 
    
隣なんだけど。 
    
昨日と同じように,その場にへたり込む。              
  
昨日と同じ……  
   
そうだよ。    
    
まだ蓮と初めて話してから1日しかたってないじゃん。     
     
なのにあんな……            
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