年上なのに、翻弄されて
……ぇ? それって……

頬を撫でる空気が冷たいなんて,嘘みたいに私の体温はみるみる上昇していく。



「好きだよ,呉羽。呉羽が引くくらい。僕の,彼女になってくれませんか?」

「ふっうぅ~っ」



もう,限界……

思えば今日は幸せなことがありすぎた。



「うっ,ふぅ~ぅ,うっ……ふぇぁ!?」



ただ泣くだけの私を蓮は抱き締める。

自分を包む温もりに,驚きとドキドキで涙が止まった。

ほぉっと息を吐く音が頭上に聞こえて,私は緊張で小さくなる。



「呉羽,どうして泣くの? ……期待しそう」

「っ,いっいよ。期待して。もっとして良いよ。私もっ蓮が好きっ大好きっ!! わたっ私の方が多分重いよ。だって,蓮が居ないときも蓮のこと考えてっ……んぅっ……っはぁっ」
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