年上なのに、翻弄されて
蓮は頬を染めて,片手でそれを隠す。

私は可笑しくなって笑った。

そのぬいぐるみを抱えて眠る夜は温かくて心がポカポカした。

そんな大事な大事なぬいぐるみは,やっぱり大切な,小さな姉弟にプレゼントされる。

それはまだ,二人には内緒のお話。



『きゃぁっははっ。みてみて~! れく,ままくれた~!!』

『くまさん? おねぇちゃっかして! れくも!』

『ふふん。きょうは,わたしこのことねる』

『ぼくも!』

『もう喧嘩しないの,怜愛(れあ),怜空(れく)。仲良くしてね。今日はままのお部屋で一緒に寝る?』

『『ねる~!!』』

『呉羽……』

『? 何? 蓮。あっ……ごめんね。今日は自分の部屋で寝てくれる? さすがにそこまでわたしのベッドは広くないと思う』

『明日は,僕だから……ね?』

『もう』

『ぱぱっだっこ!』

『むっぼくも!』

『うん。おいで……呉羽,そんな顔しないの,呉羽も後でおいで?』

『そんなつもりじゃっ……ないこともないけど……』

『ふふっ。僕の奥さんは可愛いなぁ』

ーキィィィ……パタン
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