年上なのに、翻弄されて
それから,ここに泊まるようになって,気づいたことがある。

呉羽は,僕がクリスマスプレゼントにとあげたぬいぐるみを,毎日欠かさず抱いて寝ている上に,豆に天気干しをしている。



『あ,その子大事にしてくれてるんだね』



それを見つけた日,何気なく笑うと,呉羽は顔を赤らめていて,いじらしくて可愛かった。

ー具材を切り終える。

まだ,呉羽みたいにテキパキきれいに切れないなぁ。

反省点を発見。

ーガチャ

ちょうど呉羽が起きてくる。



「あっ呉羽おはよう」

「……れ,ん……はやいね,ぉ,はょぅ」



あれ?

呉羽は大概僕に驚くかして意識がはっきりするから,こんな呉羽は初めてだ。

僕に慣れてくれ始めたのかな。

そんなのんきなことを思った。



「あっ」



呉羽が何かを思い出したような声をあげる。



「どうしたの?」
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