年上なのに、翻弄されて
両親は私達のことを知っている。

蓮が律儀に挨拶に来たらしい。

蓮の家族もみんな知ってる。

高校にあがってきてスマホを与えられたらしい沙羅ちゃんから伝わっていった。

時々沙羅ちゃん越しにご飯に誘われるのがちょっと照れ臭い。



「お父さん」



もうすっかり舌に馴染んだ。

小さいベットには確かに双子が寝ている。



「呉羽……と言うことは蓮くんも来てるのかい?」

「うん」

「じゃあ席を外そうかな。少し仮眠をとりたい」



多分気を使ってくれた。

ートントントン



「あれ? お父さん忘れ物?」

「ふふっ。僕だよ」



お父さんと入れ替わりになったようだ。



「可愛いね」

「ね」

「呉羽にも似てる」

「ぅ……」

「あっ照れた」

「ちがうよ」



私はいじけて双子の頬をつつく

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