年上なのに、翻弄されて
蓮はニコニコしていて,何かを探るような話し方も大して変わらない。
でもなんか,目が据わってる? ……ような気がする。
「えと,達也は小学校の低学年の時からの友達。昼ごはんも達也と……」
「やっぱり学校,一緒に行こっか。この時間じゃ,時間ずらしたりしたら……ふふっ。片方遅刻確定だよ?」
達也と美世ちゃんと3人で,とは言わせて貰えなかった。 何か今の切り方だと,私が達也と2人でお昼してるみたいじゃん。
いや,それはたまにあるし良いんだけど。
わざわざそれを言ったってことになっちゃうと,なんか,意味深……みたいな?
「て,え? 遅刻?」
やばい。
余裕ではあるけど,片方おいていくとおいていかれた方は遅刻する。
「じゃあせめて少し離れて歩いて!」
私は叫びながらドタバタと外に出て,鍵を閉めた。
蓮は……
「やだ」
とても短い文で拒否を示した……私の叫びもむなしく,蓮は私の手を引いて階段をかけ下りる。