年上なのに、翻弄されて
「呉羽!」
そんなときだった。
蓮がやって来たのは。
もうすっかり聞き慣れた声。
「蓮,ホントに来たの? ってゆーか購買で買ったの!? 信じらんない,コンビニと変わんないじゃん!」
よく考えればお弁当のない蓮がここでここで昼ごはんを食べるにはそれしかない。
仕方ないから明日からは蓮の分も作ろう。
と,とてもスムーズにそう考えた自分に驚いた。
……いや違うでしょ私。
蓮は明日も来るとか言ってないし。
学年すら違い,何故今日来たのかも分からない蓮が,明日も当たり前にいることを前提に考えてしまった自分が恥ずかしくなった。
「ふふっ。呉羽,百面相。後,僕明日も来るからね?」
蓮は自分の顔を指して,首を傾げながら意味ありげに笑う。
「なぁ,コイツ?」
そんな中,達也が私と蓮の間に体半分だけ割り込むようにして訊いてくる。
「あっこっちは碓氷 蓮。そしてこっちが柴
達也。そこにいるのは私の親友の相原 美世ちゃん。ね?」
「うん……初めまして」
親友と言うワードにてれ笑いする美世ちゃん。
「ほらっ蓮! 私の親友めっちゃ可愛いでしょ!?」