年上なのに、翻弄されて

             
誰だって話したことすらない年上の異性に,突然そんなことを言われたら警戒するに決まってる。             
      
それが,見るからにモテそうな子なら尚更。
    
    

『えっと,どうゆう意味ですか? 先輩』
   
『えっだから,さっきのはちがくて、やっちがくはないんだけど,その,それ!!』

  
  
あ~やっぱりこの子だって,私と同じように同じ高校だって分かるよね~
     
なんて,私はその状況下で1番どうでもいい事ばかりが頭に浮かびながらも,なんとか彼の持っているコンビニ袋を指差した。
  
 
   
『あ~これですか? 心配して下さらなくても大丈夫ですよ』     

   
彼は人当たりの良い,ふわりとした笑顔で笑う。          
  
で,でも,そうじゃないの!!
  
凄く自分勝手で,この子からしたらだからなんだって感じなんだけど……
    
  
『私が!! ご飯食べてる時に隣の子はコンビニで買って食べてるんだよなぁ~とか考えちゃって全然美味しく食事できないの! お願い! 私節約得意だから食費も請求しないし,お試しに今日だけでも!!』
 
……そう言って半ばムリヤリ彼を家に連れ込んだから。         
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