年上なのに、翻弄されて
蓮はこの2ヶ月,食事以外の時も私の家に入り浸っている。

お皿を洗っている時,洗濯しているとき,その他もろもろ。

だから,私もこの程度の事では驚かなくなった。

一種の安心感すらある。

慣れって怖いなぁと思いながら上を見上げると,そこには上気した蓮の顔があった。




「? どうしたの?」

「……呉羽って,素でそうやって褒めてくるからずるいよね」



でも,蓮のこうゆう表情や言葉には慣れない。

何だか自分がとても恥ずかしいことを口にしたような気持ちになるから。



「変なこと言ってないで学校いくよ!」

「ふふっ。そうだね」



蓮は私が恥ずかしがっているのに気付くと,いつもこんな風に,嬉しそうに笑う。

外に出て,つい私は右手を蓮に差し出してしまった。
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