年上なのに、翻弄されて
「呉……」



いつも通りの昼がきて,皆でお弁当を食べていると,達也に話しかけられた。

(ちなみに蓮にも私がお弁当を作って,バレないように惣菜の配置をかえている。たまに違う具をいれたりもする)

あれ?

いつも通りの昼だと思ったけど,もしかしたら違うかもしれない。

達也が私に話し掛けるなんていつもの事なのに,返事をするのも躊躇うような重々しさを感じて,ちょっと気になった。



「どうかした?」



いつもなら何?って聞くとこだけど,今は達也が心配でついそう言ってしまう。



「んーや? 呉……今日の放課後ひま? そこのには1人で帰って貰わなきゃなんねぇけど,話がある」



話? こんな風にわざわざ言うなんて,それって大事な話って事だよね?

そう感じてつい,眉を下げる。



「っわり,やっぱり……」



何を勘違いしたのか,取り下げようとする達也に慌てて首を降る。



「あの! ごめんね,違うの! その,それって早急な話?」
< 50 / 204 >

この作品をシェア

pagetop