年上なのに、翻弄されて
「? 今日,なんかあんの?」



達也は何故かチラッと蓮を見る。

もちろん蓮は関係ないからキョトンとしているけど。

「ただ……今日はお母さんからも大事な話があるって言われてて,電話が来る予定なの。1年会ってないから心配で……」

「何で会いに行かないの? っと聞かない方が良いよね。それは心配にもなるよ」



美世ちゃんはそっと言う。



「あっでもその後の,う~ん。いつ電話が掛かってくるか分からないからなぁ~……うん,夜中とかなら空いてるよっ!」



我ながら良い案。



「達也今日バイトないし,一人暮らしだから誰にも迷惑掛かんないし! いつもその時間起きてるもんね? 待たせちゃう分私が行くよ」



達也は意外にも苦労人で,1人で暮らしている。

家事が出来るから将来も困らないだろう。

高校生の一人暮らしなんて珍しいのに,お昼を共にしている4人の内3人が一人暮らしと言う偶然。



「いや,そんな時間に来るくらいなら……」
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