年上なのに、翻弄されて
「ダメ」

「え? 蓮?」

達也が何故か断ろうとした上に,蓮まで割り込んでくる。



「だめだよ? ぜったい。ね? 呉羽?」

「え,うん? わかった。でも何で?」

達也はなんか予定があったんだろうけど,何で蓮がそんなこと言うの?



「あ? それ……は……」

「呉ちゃん……夜道を女の子が一人歩き何て危ないでしょ? そう言うことだよね! 蓮くん」



言いあぐねる様子の達也と,蓮に必死に目配せをする美世ちゃん。

さすがと言うべきか……幼なじみ2人は良く分からないけど,妙に連携がとれている。



「うん。それもあるね」

「だよね! そう言うことだよね!!」



それも,という点にちょっと引っ掛かるものの,美世ちゃんが言うならそうなんだろなと納得する。



「じゃあ明日は?」

「うん。それなら良いよ」

「それ,僕が1人で帰るみたいなこと言ってましたけど,僕,終わるの待ってますからね? ふふっ。呉羽はあげません」

「はぁ? お前のじゃねぇんだからあげるもあげねぇもねぇよガキ。1人で帰れ」
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