年上なのに、翻弄されて
悲しい? お母さんが? 良く分からない。



「呉羽は,お母さんの旦那さんの事も,忠仁さんとか再婚相手っていうけど……お母さんの旦那さんって事は,呉羽のお義父さんになるんだよ? 呉羽にとっても,新しい家族……でしょう?」

「私の,私も,家族?」



そんなこと,考えたことなかった。



「そうだよ。だから,生まれてくる赤ちゃんだって呉羽の家族。呉羽の弟か妹が産まれてくるんだ。なのに良かったね,なんて,娘から他人事みたいに言われたらきっと悲しい」



他人事? ……お母さんにもそう聞こえたのかな。

そういえば,お母さんちょっと戸惑ってた気がする。



「蓮,電話掛け直すから,隣に居てくれる?」



1人じゃどうしても勇気が出なくて,ソファーに座って蓮を頼る。



「ふふっ。僕を必要としてくれるのは嬉しいなぁ。ー僕で良ければ」



蓮は快く応じてくれた。
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