年上なのに、翻弄されて
「私がっ良かれと思っていった言葉が,認識が,お母さんを傷つけたかもしれなくてっ」

「……そっか。でも,初美さんなら分かってくれる。かわるよ?」



待ってっまだ……



「待って! あのっまだっ言いたいことが,あっ,て……!」

「えっ!? あ,あぁうん。なんだい?」



うぅ。やっぱりびっくりしてる。

私から,忠仁さん個人に私的な話なんてしたことなかったから。

しても,お母さんの話。

だけど,忠仁さんだって私の家族。



「わっ私の事は……その,くれっ呉羽でいいです。それから,それから……」



中途半端につけている敬語は,外せなかった。

だけど……あとちょっと。



「ゆっくりでいいよ。もしかして……呉羽は今,僕に歩み寄ろうとしてくれてるんだよね? 初美さんの旦那としてじゃなく,呉羽の父として,認めてくれようとしてるんだよね」



家族。

お母さんの旦那さんってだけじゃなくて,優しい,私のお義父さん。
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