年上なのに、翻弄されて
「呉ちゃん。相手にとって迷惑にならない恋もあるよ。全部呉ちゃん次第。やり方次第」



私の知った蓮の事なんて何一つ話してないのに,美世ちゃんは私の恐れていることを全部分かっているみたいだった。

蓮に,気持ちを伝える……?

蓮,蓮……



「あ,あぁ!!」

「どうしたの!?」



私,報われない気持ちばかりが悲しくて忘れてたけど……



「私,昨日蓮にキス……された」

「えぇ!? ファーストキスでしょ? 何でそんなこと忘れられるの。 でもよかったね! 蓮君は軽はずみな行動はしないからきっと脈アリだよ!」



そんなわけない。

蓮が私を……なんて,考えただけでもバチがあたりそう。

やっぱり,夢だったのかも。

それに……



「でも,さっき見たのは……?」

「間っ違いだよ! そもそも最初から怪しかったし! たっちゃんとケンカしてる時点で完全にクロだったし!」



クロって……



「ふふっ」



それにあれを勘違いで片付けちゃう辺りが美世ちゃんらしいって言うか……



でも,ちょっと元気でた。
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